リースの会計基準改定はこれまで何度も延期となっておりましたが、新リース基準の施行日が迫ってきています。非上場企業は2021年12月15日以降に始まる会計年度、2022年12月15日以降に始まる会計年度の中間期間に対して新リース会計基準を適用する必要があります。なお早期適用も可能となっています。

主なリース基準の変更点は以下となります。

    • ほぼ全てのリース取引が貸借対照表に計上されることとなります。具体的には、オペレーティングリースおよびキャピタルリースの両方について、リース資産と負債を計上します。
    • 「キャピタルリース」は「ファイナンスリース」という言葉に変わります。
新基準導入に向けた準備:

新リース会計基準採用に向けて下記の準備をされることをお勧めいたします。

    • 銀行とローン契約上のコベナンツ(借入契約条項)についての内容確認:
      ほぼ全てのリースが負債として貸借対照表に計上されることとなるため、今後追加計上されるリース負債が現行のローン契約におけるコベナンツに何らかの影響を及ぼす可能性があるかどうか、契約書を見直し、また銀行に確認する必要があります。
    • 会計士と税務申告における州按分計算 (State Apportionment) について確認:

今後追加計上されるリース資産が税務上の州按分及びその他税務申告に対してどのような影響を与えるかについて税務担当の会計士と確認する必要があります。

    • 現在のリース状況を確認:
      現時点におけるリースを確認し、新しい基準においてリースがファイナンスリースとオペレーティングリースのどちらに分類されるのか確認します。
    • その他ベンダーとの契約内容を確認:
      ベンダーへの支払や契約を再度確認し、これまで認識されていなかったが今後資産及び負債計上対象となるリースがあるかを確認します。
    • リースソフトウェアの導入検討:リースソフトウェアは新リース会計採用をスムーズにし、今後リース状況を確認する上でも大きな助けとなります。多くのソフトウェアでは、会社のリース情報をPDF化してデータ蓄積したり、リース基準改定により発生する仕訳や今後の月次仕訳を作成したり、リース負債償却表を作成したりすることが可能です。多くのソフトウェアは比較的安価で購入することができます。
新リース会計への移行

会計上新たな会計原則を採用した場合、過去の期間に遡及適用する必要があります。そしてこの遡及適用には2つのオプションがあります。一つは表示されている過去の財務諸表を書き換える方法、もう一つは採用年度の期首の利益剰余金を調整する方法です。どちらを選ぶかを会社で検討して決める必要があります。

CDHでは、お客様が懸念される課題について銀行や会計士とのコミュニケーションをお手伝いさせていただいたり、現在および今後契約されるリース、およびベンダーとの契約内容のレビュー、最適なリースソフトウェアの選定等、新基準適用に伴うあらゆるステップにおいてサポートさせていただきます。

 

リース新基準についてご質問等ありましたら、弊社監査部門シニアマネージャーの中尾 [email protected] (日本語と英語両方で対応可能)あるいは、Emily Bartlett [email protected](英語対応のみ)までお問合せください。