今年は11月の大統領選挙に向け、両立候補者がそれぞれ今後の税制改正につき提案を発表しております。
当然選挙の結果、実際に新大統領がどの程度の税制改正の実施を行うかは分かりませんが、皆様両立候補者の提案につきご興味がおありではないかと思い、少々纏めさせて頂きました。
まずトランプ氏は、2017年に法人税を35%から21%に引き下げましたが、来年執行予定のこの税率を更に20%に引き下げる提案を行っております。
また個人所得税につきましては、基本的に2017年に施行された現行のTax Cuts and Jobs Actの恒久化を掲げておりますが、極端なところでは外国からの輸入に対する関税を大幅に引き上げることにより(中国からの輸入には60%の関税を掛けるとの提案も)、個人所得税を大幅に引き下げ・廃止との提案もございます。 加えて、チップ所得に対しては課税の対象外とするとの提案も行っております。
一方でハリス氏は、トランプ氏とは反対に法人税率を21%から28%へ引き上げを提案しておりますが、申告の小規模事業者に対しては、最高5万ドルの税額控除を適用する案を発表しております。
個人所得に関しては、トランプ氏同様チップへの課税の廃止を提案しておりますが、一番話題になっている点は保有株式等の含み益の課税案ではないでしょうか。 こちらは総資産1億ドル以上の超富裕層のみ対象とのことですが、すでに物議を醸しだしているようです。 その他では、子供の年齢に応じて子女税額控除の増額(1歳以下の子女には$6,000、2歳から5歳までの子女には$3,600、6歳以上は$3,000)、新規住宅購入者へのクレジット等も提案しております。
新大統領就任の年は、例年に比べ税法の大幅な変更も考えられるため、引き続き情報の共有を行いたく思います。
記事に関するご質問は、岡部 知憲([email protected])まで。CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解していただく目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
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