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コロナ禍による経済の大変動により、仕事をアメリカから日本に移される永住者は多いと思います。そのなかで、永住権を維持して、いつかはアメリカに戻りたいと考えられている方も多いと思います。そんな人のために今回は記事を書いてみました。
上記の図のように帰国されて、永住権を放棄される方は、放棄時までは米国居住者、放棄後の期間は、日本の居住者に基本的にはなります。つまり二重では課税されておりません。一方、永住権維持をされて、日本で仕事をされる方は、通年米国の居住者として米国への税務申告を行い、帰国時から日本の居住者として日本の申告をすることになります。そんな人たちのために6点、注意を喚起してみたいと思います。

  • Foreign Earned Income Exclusion[i]
    最初に永住権維持者が知らないといけない制度です。一年間で2021年度は、$108,700までの外国で得た労務所得を米国の課税所得から除外する制度です。つまりこの金額までは日本で獲得した所得は、Form1040から除外することができます。日本での所得がこの金額を超えると、超えた金額に対して日米で同じ所得に課税されることになります。二重課税を防ぐ意味で、日米租税条約が作られているのですが、常に100%二重課税を防げるわけではありません。注意しましょう。
  • 引っ越し費用は税務申告では引けない
    2018年の税制改革で、個人的に仕事を変えて、引っ越す場合の費用は損金に算入できなくなりました。キャッシュフローの点で多くの方にとっては負担増です。ひとつの解決方法は、引っ越し費用を新たな雇用主に出してもらうことです。所得扱いになりますが、自腹を切って、大切な貯金を取り崩されるよりも良いと思います。交渉の余地があるのであれば、してみてください。
  • 投資所得
    投資所得は、1のForeign Earned Income Exclusionを使うことはできません。もし株式の利益や、配当で、大きな所得が発生する場合は、予定納税のかたちで、連邦政府と州政府に税金をあらかじめ納めておきましょう。これをすることで、税務申告提出直前でのサプライズの出費を避けることができます。2022年の1月15日が最後の予定納税日です。ぜひ今のうちに予定納税をしておきましょう。ペナルティを避けることもできます。
  • 仕事開始のタイミング
    もし税務申告を簡単にしようとするのでしたら、日本の仕事の開始日を年初にすべきです。その前の年の労務所得はすべてアメリカから、そして新しい年の労務所得は日本からにすると税務申告書がすっきりします。計画してみてください。税務申告作成の費用も低くすることができるかもしれません。
  • 贈与、遺産税下での身分
    永住権者は、永住権を維持しているから身分は米国居住者であるは、米国贈与・遺産税では、認められません。一定の条件をクリアしないと米国居住者にはならないので、生涯非課税枠を使えません。この部分は、複雑ですので、ぜひ会計士にご相談ください。
  • 帰国後の日本での課税
    上記の図で、青色の矢印の期間は、日本の居住者でもあります。基本的に日本の居住者の期間は、居住者の全世界の所得が日本での課税対象です。注意してください。こちらは、詳しくは日本の税理士にご確認ください。

CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

なおYouTubeでも内容を説明しています。「CDHクロスボーダーファミリーチャンネル」で検索してみてください。また夜11時まで無料相談も行っています。こちらのリンクからご予約ください。メールでのご質問は、面会させていただいてお答えしております。https://outlook.office365.com/owa/calendar/[email protected]/bookings/

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[i] https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/foreign-earned-income-exclusion