「有罪と無罪の分かれ道―海外金融資産報告」

クロスボーダーライフをサポートする 海外金融資産の未報告の救済策を利用する条件は、「故意で隠蔽ではない」、つまり英語では、Non-willfulness Violationです。今回は、故意と見なされる3つのケースについて、IRSの監査官のトレーニングマニュアルを参考にして説明します[i]。 違反を知っていた場合-(Willful Blindness) ルール違反は知っていたが、IRSは、私の違反はどうせわからないと高をくくっていて、報告をしなかった。...

経営者による内部統制の無視(Management Override of Controls、マネジメント・オーバーライド)について

経営者による内部統制の無視、マネジメント・オーバーライド(management override) という言葉を聞いたことはございませんか?マネジメント・オーバーライドは内部統制の中でも非常に大きなリスクとされており、監査では必ず特定されるリスクです。では、マネジメント・オーバーライドとはどのようなものでしょうか? マネジメント・オーバーライドとは、経営者が不当な目的のために内部統制を無視ないし、無効にならしめることを意味します。...

「FBAR調査で調べられる証拠」

クロスボーダーライフをサポートする 今回は、FBAR監査時に調べられる証拠について、IRSの監査マニュアル[i]から情報をまとめてみました。なおFBARのルール上では、5年間[ii]の間、証拠を保管する義務ありと定められています。 必要とされる証拠 Form 1040とSchedule B IRSが調べる年度だけではなく、それ以前の年度も3年間保管しておいた方が良いと思います。監査マニュアルには、それ以前3年間は調査すると明記されています。Schedule Bには、FBARに関する説明がPart...

永住者のためのRoth IRA

クロスボーダーライフをサポートする Roth IRAは、1989年にデラウェア州の上院議員のWilliam Rothさんともう一人の上院議員で提案されました。今回の記事は、このRoth IRAを永住者の立場から、説明してみたいと思います。 基礎知識 Roth IRAは、税引き後のお金を拠出する制度です。税引き後で拠出された資金は、税金が課税されずに推移します。IRAと同じように税金が繰延されるわけです。...