現預金及び小切手管理が正しくされているか考えられたことはございますでしょうか？今回は現預金及び小切手の正しい管理についてお話させていただきたいと思います。
小口現金
小口現金とは、日々発生する会社の経費を精算するために少額の現金を手元で管理しておくことです。急な消耗品購入等で現金が必要になるということもあるかと思います。小口現金は、タイムリーな精算で社員の立て替え負担を減らせるメリットがありますが、盗難防止のためのセキュリティ強化が必要などといったデメリットもあります。ではどのようにして小口現金管理を行うのが望ましいのでしょうか？
- 小口現金出納帳で管理: 受入金額・日付・摘要・支払金額・支払内訳・残高の情報を記載します。そして現金出納帳の残高は帳簿上の残高と合わせておく必要があります。記帳はタイムリーに行う必要があります。
- 現金保管：現金がどこに保管されているかは、経理担当従業員以外には分からないようにしておく必要があります。また、盗難に遭いにくい施錠されたロッカーなどに保管されることをお勧めいたします。
銀行預金及び小切手管理
入出金を毎日記帳し、毎月末銀行残高と照合することはもちろん、現金盗難の可能性を減らすため下記のようなことをお勧めします。
- 小切手保管：空白の小切手は施錠のされたロッカーなどに保管しておく必要があります。ただし、小切手発行と出金処理を行う人が同じ場合は小切手の鍵はこの担当者以外が保管することをお勧めします。
- 小切手の受け取り：まず可能であれば小切手を受け取る人と入金を記帳する人は別であることが望ましいとされています。というのも担当者が受け取った小切手を裏書して自分の預金とすることが可能になるからです。もし一人が小切手を受け取って入金処理を行う場合、売掛金は滞留することになります。定期的に売掛金滞留表をチェックし、滞っている売掛金がないかを確認することは顧客からの回収状況を確認するだけでなく、小切手の盗難及び不正が行われていないかを確認できることにもなりますのでこの作業は非常に重要です。
- 小切手署名者：小切手署名者は入出金ができる経理担当者以外の方とされることをお勧めいたします。ただ経理担当者は実際に小切手の署名はしないが署名ができるようになっている、という場合、経理担当者が自分宛に小切手を発行し、サインを偽造して盗む可能性があります。しかし、追加作業を行うことによって不正のリスクを減らすことができます。有効な追加作業としまして、小切手の署名者が小切手番号を記録しておき、連番になっているかを確認します。もし連番になっていない場合はなぜ連番になっていないのかを確認します。もし小切手が連番になっていない場合、該当小切手が無効にされていることも考えられますが、小切手が盗まれている可能性もあります。
- オンラインバンキング：ACHの支払いや電信支払いをオンラインでされている会社も多々あるかと思います。これらの支払いは経理担当者以外が行い、経理担当者は入出金状況が参照できるアクセス権のみが付与されることをお勧めいたします。これは帳簿上出金処理を行う経理担当者が架空の支払いを行うことができるためです。銀行との契約書類で誰が支払いを行うことができるかが記載されておりますので一度書類をチェックされてみてはいかがでしょうか？
- Positive Pay: Positive Payという言葉を聞いたことはありますでしょうか？Positive Payとは銀行を通じて現金の不正を防ぐサービスです。Positive Payでは会社が発行した小切手と入金のために銀行に提示された小切手を比較し、日付、口座番号、小切手番号、小切手金額に相違がないかをチェックし、情報が一致しなければ銀行から顧客に連絡がいきます。そして会社がその小切手を受け入れるべきか、拒否するべきか銀行に連絡します。これにより外部が会社の小切手を偽造して現金の盗難を防ぐことができます。銀行によって費用は異なりますがそれほど高くないかと思いますので、一度銀行にお問い合わせされてみてはいかがでしょうか？
- Bill.com：請求書の受取り、支払いの承認、支払いの実行、会計システムとの連携など企業の支払いプロセスの全体をカバーするクラウドソフトです。請求書のPDFデータから支払金額や期日、支払先などをOCR処理にて自動で読み取り、支払いの確認・承認処理を行ったり、支払いを実行したり、会計システムとの連携を行ったりする機能があります。例えば出張中であってもオンラインで支払いの確認及び承認を行うことができ、小切手管理のリスクも減らすことができます。またQuickbooksやSage Intacct等の会計システムとの連携ができるため、Bill.comで入力された情報が会計ソフトに自動的に入力されることになっており、再度出金を記帳する必要がありません。コロナウィルスにより在宅勤務が増えましたが、小切手を使用されている場合は小切手を発行するため会社に行く必要があります。しかし、Bill.comには請求書の承認、支払いが世界中のどこにいてもオンラインでできる便利性があり、その需要はますます高まっています。
現預金及び小切手管理についてご質問等ございましたらCDH会計事務所の中尾 [email protected] までお問い合わせください。