米国税務、還付金の状況確認

確定申告を終わらせ、既に還付金を受け取られた方もいらっしゃるかと思います。もしまだでしたらIRSのサイトから状況を確認することができます。IRSがIR-2024-53で詳しく説明していますので下記に抜粋してみました。 <IR-2024-53より> 毎週何百万件もの税金の還付が行われる中、IRSは2月28日、納税者に対し「Where’s My Refund」の最近の改善について通知しました。 IRSのサイト で詳細な情報を提供しており、払い戻しのステータスを確認する最良の方法です。 このツールは、連邦税申告書の受領に関する IRS...

国際相続~日本の親から相続を受けたときに米国居住者が知っておくべきこと~2024年最新情報

2023年に日本の親からの相続を受けた米国永住権者(を含む税法上の米国居住者)は2023年度のタックスリターンで申告が必要になるかもしれませんのでお読みください。 あなたの国際相続はIRSへの報告義務があるのか? もし日本の親から相続で米ドル換算で10万ドル以上の遺産を受け取る場合、アメリカの税務局(IRS)にその事実を報告しなければなりません。これには不動産、証券、現金など、あらゆる種類の財産が含まれます。この報告は、Form...

グリーンカード放棄と帰国時の注意:不動産の売却

日本への帰国を控えて不動産を売却される方もいらっしゃると思います。米国居住者として売却するか、米国非居住者で日本の居住者として売却するかによって税金が大きく変わります。   1.米国居住者として売却する場合   <個人使用の主たる住宅、または年間15日未満の賃貸> 主たる住居の売却は、納税者が以下の場合を除いて納税者の申告書に報告されません。 キャピタルゲインがあり非課税枠を超える場合 キャピタルゲインがあり、非課税枠で除外しないことを選択 売却によるフォーム 1099-S を受領した場合 <主たる住居とは> 納税者が...

アメリカで離婚を考えたら知っておくべき税金知識 申告ステータス

アメリカでの離婚は単に個人間の問題ではなく、法的および財務的な複雑さを持つプロセスです。特に、税務はしばしば見落とされがちですが、離婚においては非常に重要な要素です。アメリカ市民と結婚してグリーンカードを取得する多くの日本人は、タックスリターンをアメリカ市民である配偶者に任せがちで、夫婦合算申告をしていても一度も申告書を見たことがないという場合も少なくないでしょう。この記事では、離婚が予見される場合に知っておくべき重要ポイントのなかから「申告形態(Filing Status)」について説明します。 申告形態と年末の婚姻状態...

後発事象について

会社の帳簿を締める際、期末日までに発生したすべての取引を記帳するということに重点を置いて決算作業をされておられるかと思います。しかし、期末日以降に発生した事象でも期末の財務諸表や開示に影響を与え、期末日まで遡って財務諸表を修正しなければならないことがあることはご存じでしょうか?今回は期末日以降に発生した重要な事象、後発事象について述べたいと思います。 後発事象とは?...

個人情報の盗難、進化する詐欺の手口

これらの文章はIRSからのOutreach Connection, April 23, 2024から抜粋・翻訳しています。 <Ghost Preparers> IRS とSecurity Summitのパートナーは、人々に虚偽の納税申告書の提出を奨励し、貴重な個人情報を盗む悪徳税務作成者について納税者に警告しました。 納税時期に毎年見られる一般的な問題は、「ゴースト申告書作成者」が現れ、納税者に資格のない税額控除や給付金の利用を奨励することです。...

あなたの会社も対象かも!?法人代替ミニマム税の新しいルール

5月は立夏で夏の兆しが見え始める頃という意味があるそうです。弊社があるシカゴ近郊もだんだん暖かくなってきました。今回は法人代替ミニマム税(以降代替ミニマム税)についてお話ししたいと思います。代替ミニマム税はTax Cuts and Jobs Actにより2018年より廃止されていましたが、Inflation Reduction Act of 2022により2023年度の申告より再び復活しました。対象は過去3年の利益の平均が10億ドル以上の企業ですが、この金額については複雑なルールがあるため、あなたの会社も対象になるかもしれません。...

グリーンカード放棄と帰国時の注意:金利と配当

米国に銀行口座や投資口座を残したまま日本へ帰国される方もいらっしゃると思います。帰国されてもグリーンカードを放棄するまで移民法上も税法上も米国居住者として金利や配当を米国に申告しなければなりません。一方、日本でも米国グリーンカードを持たれている日本国籍の方が帰国されると、米国からの収入として日本でも確定申告をしなければなりません。 1.グリーンカードを放棄するまでの金利・配当の申告...

マイナンバーカード、海外転出者でも申請更新可能に。5月27日からスタート

マイナンバー法等改正法の関係規定が2024年5月27日に施行されることに伴い、マイナンバーカードに関連して以下のような改正があります。デジタル庁「河野大臣記者会見(令和6年4月9日)」の中で述べられたポイントは4つ。4点を簡単にまとめたあと、特に海外(日本国外)転出者に関わるであろうポイント1点目と4点目について補足を述べます。 まずは、マイナンバーとは何かについて正しい知識をこのリンクから: デジタル庁『よくある質問:マイナンバー(個人番号)について』...

IRS 独立審査局に税務問題に関する支援を依頼

今までのブログで“IRSから通知が来たらどうする”、そして“税金で納得出来なければ裁判に”とIRSとの対応について説明してきました。今回は更に進めて納税者が IRS の決定に同意できない場合、どう対処したらよいのかについて説明させていただきます。 (Tax Tip 2024-47から抜粋) 納税者がIRSの決定に同意できない場合はIRS 独立審査局にケースの見直しを依頼できます。このオフィスは IRS の他の部門とは別れています。審査官は納税者が提出したケースを審査し、納税者と非公式に面会し、公平かつ偏見のない方法で納税者の立場と...

過年度の損益修正について

12月また3月決算の会社は決算が終了し、また監査やレビューを受けていらっしゃる会社も監査とレビューが終了し、ほっとしたのも束の間2024年度も第二四半期も終わりに近づき四半期決算作業の準備にかかられているかと思います。しかし、たとえ昨年度の決算が終了しても、今年に発生した事象で昨年度の財務諸表を修正しなければならないことがあるのはご存じでしょうか?今回は過年度の財務諸表を修正しなければならない事象についてお話させていただきます。 会計方針の変更...

家族間での不動産の賃貸について

皆様米国で不動産の賃貸を行い、所得が発生した場合は、所得税申告書で報告の義務があるのはご存じかもしれません。 但しご所有の不動産をお子様やご両親へ低料金または無償でお貸しになっているというケースもあるかも知れません。 この場合の税務上の取り扱いはどの様になるかご存じですか? まず、家族間の賃貸であっても市場適正価格での賃貸が行われており、借り手がメインに使用する家屋としての賃貸の場合、他人に賃貸を行う場合と同様に賃貸期間全て賃貸扱い、それに伴う費用等も控除(所得から差し引ける)対象となります。...

米国のLGBTQI+同性婚の課税を理解する

  毎年6月は、「プライド月間 (Pride Month)」です。2024年3月14日に、札幌高等裁判所と東京地方裁判所がそれぞれ同性婚を認めない現行法が違憲であるとする判決を下しました。これは、日本における同性婚の法的承認に向けた大きな一歩です。これにより、政府は同性婚を合法化するための具体的な法的措置を講じる必要性が強調されています。この記事では、同性婚の課税に焦点を当てて執筆します。...

CI: IRSの刑事捜査部門

CI特別捜査官が如何に活動しているかを示す面白い記事が出ていましたので紹介します。 日付: 2024年5月24日 <Headline> 元ボルチモア市の州検事マリリン・J・モスビーは、電子監視付きで12か月の自宅監禁を言い渡され、不動産価値の90パーセントの没収を命じられた。 <判決内容> メリーランド州グリーンベルト —...

Educational Assistance Program:教育支援プログラム

教育支援プログラムとは従業員の利益のみを目的として、雇用主が従業員に教育支援を提供するために計画されたプログラムです。セクション 127 教育支援プログラムとして適格となるには、計画が文書化され、特定の他の要件を満たす必要があります。 ただし、プログラムは、給付の資格に関する要件において、役員、株主、自営業者、または高給の従業員を優遇することはできません。 納税者は、教育支援プログラムに基づいて提供される特定の教育支援給付を総所得から除外することができます。...

移転価格税制について

移転価格税制という言葉を聞いたことはありませんか?日本にある親会社や他国の関係会社から商品の仕入れを行ったり、また親会社や関係会社に商品を販売したり、親会社へ経営指導料を支払ったりなどされておられませんでしょうか?このように海外にある関係会社と取引がある場合は、米国税法に基づいて移転価格税制レポートを作成しておく必要があります。今回は移転価格税制について簡潔にお話させていただきます。 移転価格税制とは?...

アメリカを離れるときはReentry Permitの手続きを 最新情報2024

コロナの過渡期には、日本へ一時帰国をしたらアメリカへ戻れなくなった方もおられたと思いますが、コロナを経た今、自分の人生の選択肢として「日本への永住帰国」を考えている方もおられると思います。長年アメリカに暮らしアメリカナイズされた日本人にとっては、わが国・日本と言えども、もういちど文化慣習に慣れる期間が必要かもしれません。そんな人は、まずはお試しで日本に少し住んでみるという選択肢もあります。 そこで必ずあがってくるのが、Reentry Permit。米国への再入国許可書です。米国市民権移民局・USCIS (U.S....

帰国の3パターン徹底比較

クロスボーダーライフをサポートする 日本に帰国されるときに、考えられるパターンは大きく3通りあります: 帰国後永住権を放棄する 帰国後も永住権の放棄の手続きを行わない 米国市民権を米国で取得して、日本に帰国する 今回はこの3パターンを様々な側面から徹底比較をしてみたいと思います。まずは比較の前に注意点から。 1,注意点 この記事の「永住権を放棄する」とは税務上でのプロセスのことで、移民法上での手続きについては記事の主旨ではありません。税務上のルールは、8年以上永住権を保持していた人は、Form...

含み益がある資産に対する出国税の計算方法

クロスボーダーライフをサポートする 出国税はまだまだ多くの方が誤解しています。今回は、税金がかかる前の資産の含み益の計算方法について実例を使った説明します。以下、Covered Expatriateと判定されたと仮定して、含み益の計算をしてみましょう。 1, 3つの資産 上記の表のように資産がA,B,Cの3資産あったといたします。そしてそれぞれの資産には、原価、市場価値、含み益(損)があります。...

米国での離婚の税務

クロスボーダーライフをサポートする   米国で離婚をする際に、重要になるのが税務知識です。片方の配偶者に完全に税務面での作業を頼り切っていると、離婚時に自身の知識のなさを痛感して、大きな後悔をすることになります。幸せな結婚生活を継続するのが筆者の願いですが、離婚をされる場合もあるでしょう。今回は、離婚をされるときに少なくとも絶対に知っておいてもらいたい知識を3つ選んで説明します。   1、申告形態と年末の婚姻関係...

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