401(k)や403(b)のような雇用主が後援する、税金が繰り延べられる適格退職金制度には、資金引き出し時についての規則があります。原則としては59歳半より前に資金を引き出すと、10%の早期引出ペナルティが発生します。しかし幸いなことに、このペナルティを課されることなく、引き出しを数年早く取得する方法があります。その一つがRule of 55として知られています。早期退職を検討している場合、またはその他の理由で401(k)または同様のプランからお金を引き出す必要がある場合は、このRule of 55がどのように機能するかを知っておくと役立ちます。
まず幾つかあるこれらの早期引出ペナルティの免除について、IRSが発行しているPublication 575から紹介します。
- 55歳(資格のある公安職員の場合は50歳)に達した年以降に離職した場合の適格退職金制度(IRAを除く)から引き出す場合
- 適格退職金制度(IRAを除く)から適格な国内関係命令に基づく代替受取人へ支払う場合
- 適格退職金制度から、その年の項目別控除を選択するかかどうかに関係なく、調整後の総所得の5%を超える控除可能な医療費がある場合
- 1986年3月1日の時点で離職し、書面による選択下で特定のスケジュールで支払いを受け取り始めた場合
- 適格退職金制度が保有する雇用主証券の配当のための従業員持株制度から支払う場合
- IRSが差し押さえた適格退職金制度から引き出す場合
- 401(k)または403(b)プランに基づく選択的繰延勘定、または同様の取り決めから引き出す場合
- 連邦政府の従業員に対して行われる段階的な退職年金の支払い
(段階的引退プログラムの詳細については、Publication 721を参照してください)
- 適格な出産または養子縁組のための適格退職金制度(IRA以外)から引き出す場合
Rule of 55
55歳になった年以降にその仕事を辞めた場合、10%の税金ペナルティなしで401(k)または403(b)プランから資金を引き出すことができます。(資格のある公安労働者は50歳から)
離職の理由が解雇されたのか、自主的に辞めたかは関係ありません。
しかし引き出しは完全に非課税ではありません。従来の401(k)または403(b)からのすべての引き出しと同様に、所得税を支払う必要があります。 そして雇用主は20%の源泉徴収が義務付けられています。Rule of 55では10%の早期引出ペナルティのみが免除されます。
このルールは現在在職されている会社の401(k)または403(b)プランにのみ適用されます。過去の雇用主との適格退職金制度からはペナルティなしの引き出しは出来ません。
雇用主のプラン管理者に、このルールが許可されているかどうか、許可されている場合は、1回で全額引き出さなければならないかどうかを確認してください。
IRAやRoth IRAの場合の早期引出ペナルティ免除
前述の免除に加えて次の理由により早期に引き出しが行われた場合はペナルティを支払う必要はありません。
- 適格と認められる高等教育費の支払い
- 最初の住居の購入に限り1万ドルまで
- 失業時の健康保険料の支払い
これらの早期引出ペナルティ免除の詳細に関しては下記のサイトをご参照ください。
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