10月15日をもって2020年確定申告の延長締め切りが終わりました。IRSは今年3月21日を皮切りに、ひとり$1,400を、第三回Economic Impact Payment(以下EIP3)、いわゆるスティミュラス・チェック(Stimulus Checks)として支給してきました。これは、IRSに届く皆さんの2020年の確定申告書の情報を元に、受給資格を満たす納税者に対して手続きを行うものです。ついに10月15日に2020年税務申告の最終日を迎え、延長申請が終わった納税者に対しても支給が始まるというわけです。
1.第三回目の受給資格は第一と第二とは異なる
第三回は新しい所得額が条件に設定されていますので、第一回(EIP1)、第二回(EIP2)のStimulus Checkを受け取った人であっても第三回目(EIP3)は受け取れない場合があります。ここで、もう一度、受給資格について記します:
<受給資格:第三回EIP3/Economic Impact Payment>
- 米国市民であること(居住国問わず)、あるいは、米国在住外国人(税法上の米国居住者と判定される外国人、夫婦合算申告の場合はその配偶者)であること
- 別の納税者の扶養家族ではないこと
- 調整後総所得(AGI/Adjusted Gross Income)が、以下であること:
- $150,000(Married Filing Jointly、Qualifying widow(er))
- $112,500(Head of Household)
- $75,000(Single、Married Filing Separately)
上記の条件に合い、既に税務申告を終えているのにまだ受け取っていない、という場合、支給状況を確認できるIRSツールがありますので参考にされてください。
IRSツール 「Get My Payment」
https://www.irs.gov/coronavirus/get-my-payment
2.税務申告をしていない場合は?
受給資格を満たしていても、通常税務申告書を出さない人の場合はどうなるのでしょうか。あえて、税務申告をしなければならないのでしょうか?その場合、まずは、税務申告の有無を次のIRSのツールで確かめてください。
IRSツール 「Do I Need to File a Tax Return?」
https://www.irs.gov/help/ita/do-i-need-to-file-a-tax-return
そのうえで、税務申告の必要がないと確認できた場合は、「非申告者登録」を通じて申請することができます。これは、児童税額控除を通じて申告をするものですが、子供がおられない場合にもこちらを利用して申請ができます。
IRSツール 「Child Tax Credit Non-filer Sign-up Tool」
https://www.irs.gov/credits-deductions/child-tax-credit-non-filer-sign-up-tool
もし、ご自分は本来は税務申告をする必要があるのに2020年の申告をしていなかった場合は、専門家へお問い合わせください。
3.本帰国した元駐在員の子供で米国籍を持っている場合は?
過去に米国に駐在しておりその間にアメリカで子供さんが生まれた場合、その子供さんは日米の二重国籍を保持していると考えられます。
米国籍をお持ちの子供さんの場合、それを保持する限り、世界中どこへ行っても米国人です。そして、ある一定の収入がある場合は米国への税務申告が必要です。EIPに関しては、基本的に納税者に対して支給される経済効果策であるため、扶養家族である子供さんの親が納税者としてその権利があるという考え方から、米国税法上、たとえ扶養家族である子供さんが米国籍を保持していても、米国に税務申告義務のない親御さんにはEIP受給資格がないことから、残念ながらEIPを受け取ることができません。しかし、仮に、子供さんに稼得収入があり子供さん自身に税務申告義務がある場合は、受給資格があるということになります。
その他、様々なケースがありますので不確かな場合は専門家へご相談下さい。
まとめ
- 第三回エコノミック・インパクト・ペイメントの条件は第一回、第二回と異なるので注意が必要。
- 受給資格があるもののまだ受け取っていない場合は、IRSのツールで確認できる。
- 通常税務申告していない人にも、税務申告書を出さない方法での手続きが可能である。
参考文献:
https://www.irs.gov/coronavirus/economic-impact-payments
https://www.irs.gov/coronavirus/third-economic-impact-payment
この記事は、複雑な税法や規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解していただく目的で提供されています。内容が不確かな場合、実際のアクションを取る際等には、常に税務・法務などの専門家と相談をしてください。
記事に関するご質問は、ハラー基江[email protected]まで。CDH会計事務所では米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。弊社のYouTubeクロスボーダーチャンネルではいろいろな内容を取り上げて説明しています。是非ご覧ください。また無料相談も行っています(予約リンク)。