Employer Retention Creditとは何か?

永住権者のトクする税務知識

Employer Retention Program(“ERC”)とはコロナ禍の状況で従業員を雇用し続けるためのに米国政府が考えたインセンティブのひとつです。

これは還付を受けることができる税額控除です。これをRefundable Tax Creditと申します。

もし御社がコロナの影響で売り上げ(正確にはGross Receipts)が前年度の四半期と比べて50%以上落ちた場合に使用できます。そしてこの売り上げが80%を超えた四半期に終了します。第2四半期で売り上げが前年度の50%を割り、第4四半期でもまだ前年比の80%に戻っていない場合には、第2四半期から第4四半期までこの制度の恩恵を受けることができます。

インセンティブは各四半期ごとに従業員一人当たりで最高$5,000です。(ただしこれはその四半期でこの控除に該当する人件費が最高$10,000で、そちらの50%がクレジットに該当するからです。)つまり社員が50人の会社は1四半期で最高で$250,000の税金のクレジット(還付)を受けることができるのです。こちらが3四半期続くと最高で$750,000の税金の還付を受けることができます。

上記をもう少し説明すると、ある従業員が1四半期で$8,000の人件費だったとすると、この人のクレジットは$4,000になるわけです。計算はまず人件費から計算します。

またこの人件費の定義ですが、適格健康保険のプレミアムの支払いも含まれます。したがって単なる給料だけではありません。また従業員が100人を超える場合は、該当する従業員の条件が100人以下の場合と異なります。ここは注意しましょう。

このインセンティブはForm 7200を政府にファイルすることでもらうことができます。

また従業員がいない会社、例えばIndependent Contractorだけを使用している会社は使用できません。

またPPPでお金をもらっている会社もこのインセンティブを受けることができません。さらに他の3種類ありますコロナ関係のインセンティブとも重複することができません。こちらも注意しましょう。

さて皆さんの会社は自分で給料計算を行っているところは少なくて、給料の計算会社に頼んでいるところが多いと思います。したがいまして、取られるべきアクションは、給料会社に連絡して、このインセンティブを給与税の申告書に反映してもらうことです。このルールが有効になった日付が3月12日以降です。ということはForm 7200をファイルすることで、3月13日から3月31日までの19日間の分に関しては、すぐに現金がもらえるということです。現金が必要な会社はすぐにアクションを取られてください。

このプログラムのポイントは、計算自体は給料会社が行ってくれるはずですので、難しくありません、しかし売り上げが50%以上落ちたのは、会社が持っておく証拠になります。監査を受けることがあると仮定して、しっかりと正しい資料を作成しておきましょう。

CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。

この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

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