申告要件のある人が亡くなった場合、その故人の配偶者または代理人は、故人のために最終的な確定申告書を提出する必要があります。その最終申告書には申告者がなくなったことを明記しなければなりません。提出の際は死亡診断書またはその他の死亡証明書のコピーを添付する必要はありません。
通常、確定申告書を提出する代理人は本人の遺言で指名されるか、裁判所によって任命されます。
しかし生存している配偶者または任命された代理人がいない場合、個人の代理人が最終申告書を提出し、Form 1310という死亡した納税者による払い戻しを請求する声明を添付します。
<確定申告の際に知っておきたいこと>
通常、死亡した人の最終的な個人所得税申告書は、その人が生きているかのように作成し提出されます。
- 申告書は、死亡日までのすべての収入を報告し、すべての適格な控除とクレジットを申告します。
- 故人が亡くなる前の年について個人所得税の申告書を提出しなかった場合、生存している配偶者または代理人は前年の申告書も提出しなければならない場合があります。
- IRS は生存する配偶者がその年に再婚しなかった場合、配偶者が亡くなった 1 年間は結婚していたと見なすことができます。
- つまり生存している配偶者は夫婦合算申告、または夫婦別申告を選ぶことが出来ます。
- 最終申告書にも同じ提出期限が適用されます。 例えば故人が 2022 年に死亡した場合、生存している配偶者または代理人が提出期限を延長していない限り2023 年 4 月 18 日までに申告しなければなりません。
- 電子申告の場合、生存している配偶者または代理人は正しい署名と表記の要件について、税務ソフトウェアのインストラクションに従ってください。
- 紙での申告書の場合は「Deceased」、氏名とその死亡日を申告書の一番上に記入してください。
<確定申告書の署名>
確定申告書に署名する必要がある人は次のとおりです。
- 任命された代理人は申告書に署名する必要があります。
- 夫婦合算申告の場合は生存している配偶者も署名する必要があります。
- 代理人が任命されていない場合は合算申告書を提出する生存配偶者が申告書に署名し、署名欄に「filing as surviving spouse」と記入する必要があります。
- 指定された代理人および生存配偶者がいない場合は、故人の財産の責任者が「personal representative」として申告書に署名しなければなりません。
<確定申告書に添付するその他の書類>
裁判所が任命した代理人は、その任命を示す裁判所文書のコピーを添付する必要があります。
法廷で任命されていない代理人は、還付を請求するためにForm 1310(死亡した納税者による還付を請求する人の声明)を添付する必要があります。 生存している配偶者および裁判所が任命した代理人は、このフォームに記入する必要はありません。
確定申告書で支払いがある場合、申告者は申告書とともに銀行からの直接引き落としや小切手による支払いをするか、他の支払いオプションについて IRS.gov の支払いページにアクセスしましょう。 未払い額をすぐに支払うことができない場合は、支払い計画または分割払い契約の対象となる可能性があります。
<Qualifying widow or widower:適格生存配偶者>
扶養する子供がいる生存配偶者は、配偶者の死後 2 年間適格生存配偶者として申請できる場合があります。 この申告ステータスでは有利な夫婦合算申告税率と夫婦合算申告と同額の一般控除を取ることができます。
<自宅売却によるキャピタルゲイン非課税枠の延長>
生存配偶者は配偶者の死後2年以内に自宅を売却する場合、キャピタルゲインが発生しても50万ドルの非課税枠を使うことが出来ます。
参照として
IRS Issue Number: Tax Tip 2023-51
https://www.irs.gov/newsroom/filing-a-final-federal-tax-return-for-someone-who-has-died
Publication 559 Survivors, Executors, and Administrators
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p559.pdf
IRS Topic No. 356: Decedents
https://www.irs.gov/taxtopics/tc356
Form 1310
Form 1310, Statement of Person Claiming Refund Due a Deceased Taxpayer.
以上
CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記よりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
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