2023年の幕開けで、Healthcare FSAもスタート。FSAアカウントをお持ちの方は、今年中にコミットした金額を使い切らなければなりません。このアメリカの税制優遇は、自己管理と計画性があればとても有利に働いてくれる制度ですが、使い切れずに終わってしまったり、もっと高額に設定しておいて節税すればよかった・・などと、なかなか使いこなすのが難しいと思う人が多いようです。そんな方に活用していただきたいAmazon FSA SHOPをご紹介します。
1.毎年30億ドルが没収されている
「使うか失うか (“use if or lose it”) 」といわれるFSA (Flexible Spending Account)。まず、特記したいことは、「自ら拠出しておいたお金が使われずに没収されてしまった」という人たちの没収額は推定30億ドルにものぼること。非営利団体EBRIがMoneyと共有したデータによると、FSA口座を所有している労働者の40%以上が、平均339ドル~408ドルの拠出金を使いきれていないのだとか。
なんともったいないことでしょう。
このお金は、自分に対して出したお小遣いのようなものです。FSA口座にコツコツ天引きしたことで節税は叶ったかもしれないけれど、その戻ってこないお金を雇用主に寄付したとは思えないでしょうし、やはり自分に前払いしたはずのお金を失うのは悔やまれます。
もし、2022年のFSAを使い切っていない読者がいれば、会社が繰り越し(ロールオーバー)を許可してくれるか確認しましょう。2022年度分は570ドルまで今年に繰越できます。
2.FSA (Flexible Spending Account) とは
FSA口座、Flexible Spending Accountとは、口座保有者に特定の税制上の優遇措置を提供する、一種の普通預金口座のようなものです。これは雇用主が従業員のために設定できます。この口座に入金されるお金は、医療費関連の支払いのみに使うことができ、口座への入金は税引き前の給与からの天引きする形で行われます。課税所得額を減らすことが出来ますので、慎重に正しく利用すれば節税効果が期待できます。
手続き方法はいたって簡単。
入金額(拠出額)の上限は決められており(2023年は3,050ドル)その範囲でお好きに金額を設定できますので、「今年はこれだけを医療費に使うだろう」という金額を予測して、向こう一年の天引きしてほしい額を雇用者に伝えて手続きをすればよいのです。そうすれば、決めた一年分の金額がチャージされたプリペイドカードを雇用者が提供してくれます。または、自分が自腹で立て替えて、後日、雇用主に払い戻し請求をすることができます。
3.正しく理解すれば満足度アップ
(1)最初から満額使える
既にお気づきかもしれませんが、従業員側から見たFSA口座を持つ利点は、まさに、自分がまだ拠出していないお金をまるまる先に満額もらえることです。上記のプリペイドカードや払戻金は、毎回の給与で拠出する金額分だけが利用可能金額とみなされるのではなく、いきなり年初から満額分を使うことが出来る仕組みなのです(uniform coverage rule)。
(2)翌年繰り越しや猶予期間も
そして、従業員が使い切れなかった金額を2022年度は570ドルまで、2023年度は610ドルまで次年度に繰り越しできるプランを提供している雇用主もあります。さらに、繰越はできないが、翌年3月15日までの猶予期間内に使い切ることを許可してくれる雇用主もありますので、雇用主に確認をとり自身のプランを正しく理解することが大切です。
(3)FSA対象商品だけを扱うオンラインストアもある
歯がゆいことに、雇用主が秋に開催する翌年度の健康保険についての説明会で、このFSAは「処方箋、Copay、Deductible、歯科治療費、コンタクトや眼鏡、補聴器、カイロプラクティック、鍼などに利用可能」といった説明を受けることが多いと思われます。そのため、治療関係サービスにしか使えないんだと思い込みがちで、その結果、使い切れそうな金額として設定額を低く押さえたり、設定すらしない結果となることもありそうです。
しかし、FSAは治療サービスだけでなく、思いもよらない製品の購入にも使うことでき、使途範囲は広いのです。
二つサイトをご紹介します。
FSA Store:最大FSA対象商品ラインアップを誇るオンラインストア
Amazon FSA|HSA STORE:Amazon.comのFSA、HSA専用ページ
4.Amazon FSA STORE
読者にはAmazon.com利用者が多いと思いますので、ここでは、AmazonのFSA STOREを中心にご紹介します。
商品目白押しで、家庭用品のほかに、日焼け止め、アイピロー、足つぼグッズ、体重計、血圧計など、多品目が取りそろえられています。FAQや商品カテゴリの一覧ページもありますので参考にしてください。
実際の商品のページに飛ぶと、その商品が本当にFSA Eligibleなのかどうかが分かりにくくなりますが、左上にかならず商品カテゴリが表示されていますので、その中に「FSA or HSA Eligible」という文字があるかどうかを確認してください。ご自分のFSAカードをアカウントに追加すれば、簡単に決済できます。
残念ながら、Apple WatchやFitbitは現在のところFSA対象商品ではないようですのでご注意を。
今年はFSA口座を設定しなかった方も、このサイトをご覧になって来年度の設定金額算出に活用くだされば幸いです。
参考文献
https://money.com/fsa-contributions-workers-forfeit-money/
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p969.pdf
https://www.irs.gov/forms-pubs/about-publication-969
https://www.irs.gov/pub/irs-dft/p969–dft.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/rp-22-38.pdf
https://www.amazon.com/FSA-FAQ/b?ie=UTF8&node=17900051011 https://www.amazon.com/b/ref=s9_acss_bw_cg_tbybovr_md2_w?node=17898896011&pf_rd_m=ATVPDKIKX0DER&pf_rd_s=merchandised-search-8&pf_rd_r=CY8S46RNZ6H27FP8G5SM&pf_rd_t=101&pf_rd_p=7841010b-3c47-43e9-b58c-7d3a6af94b32&pf_rd_i=17900051011
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