連邦個人所得税の申告資格は夫婦合算申告、夫婦別申告、適格生存配偶者、独身者、そして特定世帯主に分かれています。特定世帯主は子供や扶養家族のいる方に適用される申告身分です。独身者の方より一般控除額が高く、同じ税率でも適用される累進課税の収入枠が高くなります。独身の方と収入が同じでも税金が低くなるので有利な申告身分です。
<一般控除額>
2024年度のそれぞれの一般控除額は下記の通りです。
- 夫婦合算申告 : $29,200
- 夫婦別申告 : $14,600
- 適格生存配偶者 : $29,200
- 特定世帯主 : $21,900
- 独身者 : 14,600
<独身・未婚条件>
特定世帯主で申告するには次の条件があります。
- 12月31日時点で独身、又は未婚であること
- 前年以前に配偶者が死亡し再婚をしていない
- 12月31日現在法律上離婚が成立している
- 12月31日現在法律上配偶者と別居状態である(Legal Separation)
- 納税者が夫婦別申告をする場合
- 非居住外国人と婚姻状態で夫婦合算申告を選択していない場合
- 配偶者が課税年度の最後の6か月間同じ住居に住んでいなかった場合(判例もあるので要注意)
- 納税者が課税年度の年間生活維持費の50%超の支払い
- 一年間通して米国市民もしくは米国居住者である
詳細は IRC Sec. 7703(b) Determination of marital statusをご参照ください。
<適格家族の条件>
適格家族の条件としては次の通りです。
- 扶養家族が一年のうち半分以上家族の一員として同居
但し、被扶養者が親である場合には同居の条件はなし
- 納税者が被扶養者の年間生活維持氏の半分以上を負担
- 家族が米国市民もしくは米国居住者である
つまり従兄弟・従姉妹を除く納税者の未婚の子供や義理の子供、孫、養子(税法上の扶養家族以外でも可能)または親等の扶養家族が対象となります。その扶養家族に収入がある場合は総所得条件としての規定がありますので、必ず専門家にご相談ください。
<例>
鈴木さんは永住権保持者で独身、シカゴに居住しています。日本にいた父親も永住権を取得して来米し、同じく永住権保持者である独身の弟さんと、シアトルで同居しています。父親の生活維持費が20,000ドルで彼の日本の年金収入が4,000ドル、弟さんが5,000ドル負担していて、鈴木さんが11,000ドル負担している場合、鈴木さんは父親を被扶養者として、特定世帯主としての申告が認められます。
以上
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