御社は従業員の業績評価を定期的に行っておられますか?「人事評価制度」は、評価に基づき社員を育成して生産性の向上を図り、究極的には企業の目標達成や業績のアップに繋げるためのシステムです。社員を評価するには、社員が持つ能力やスキルだけでなく、会社への貢献度を加味して判断することが重要です。人事評価は会社が事業を行っていく上で非常に重要ですが、会社の財務諸表にも影響を与え、内部統制という観点からしても重要と考えられます。では人事評価が内部統制においてなぜ重要とされているのかをお話したいと思います。
なぜ人事評価が重要か?
すべての従業員は何等かの形で会社の財務諸表に影響します。例えば入出荷の担当者は、会社の仕入、売上計上に関わる作業を行いますし、営業担当者は顧客からの回収状況を確認し、滞留売掛金の回収作業を行います。経理担当者ではなくても最終的に会社の財務諸表作成に関わる作業を間接的に行っていることになります。もし従業員の業績評価を行っていなかった場合、どのようなことが起こり得るでしょうか?
従業員の努力や成果が適正に評価され、それが昇給や昇格につながるシステムが構築されていれば、それは従業員の更なる習得意欲につながり、サービスや品質も向上、また作業効率も促進されます。従業員にとっては、評価による昇格や昇給だけではなく、習得したことや努力したことが評価されることが、次への習得意欲へとつながるのです。そして組織全体として目指すべき企業像や企業風土を円滑に形成できます。しかし評価制度が存在しなかったり、評価基準が曖昧であれば逆にやる気や向上心を低下させてしまい、自分が正当に評価されないことに不満を持ち、勤務態度が悪くなり、他の従業員にまで悪い影響を与えることもあり得ます。そしてその会社への不満が不正につながることもあり得るのです。例えば従業員が会社に満足していない場合、商品を盗む、また経理担当者の場合、現金を盗むということもあります。実際に過去の事件で、会社を良く思っていない従業員が現金を盗むという不正を犯したといこともあります。
人事評価制度について
人事評価が重要なのはお分かりいただけたかと思いますが、では会社はどのような取り組みを行うべきでしょうか?第一に人事評価制度を確立し、制度内容を従業員が理解する必要があります。人事評価制度は能力評価(業務上求められているスキルや知識を持っているか)、業績評価(成果や目標の達成度)、情意評価(社員の意欲や勤務態度)の観点を考慮して作成される必要があります。従業員の役割や地位によって評価内容が異なってきますのでその都度従業員の目標が異なってくることを伝えることも重要です。
次に評価を実施することです。人事制度が確立されていても実際に行っていなければ機能していないことになりますので、人事評価時期を定め、「なぜこのような評価になったのか」「何が良くて何が悪かったのか」を社員自身がきちんと認識して改善につなげてもらうためには、最適な評価項目を設定して数値化するだけでなく、上司から有益なフィードバックを与えることが不可欠です。また、フィードバックを実施する際には、なるべく具体性をもたせたコメントと、良かった点と悪かった点の両方を伝えることを意識しましょう。
弊事務所では人事コンサルティングサービスを行っております。また正しい内部統制が構築されているかを査定し、改善のアドバイスをさせていただくサービスも行っておりますのでご質問等ございましたらお気軽にCDH会計事務所の中尾 [email protected]までお問い合わせください。