法人税申告書の作成を会計事務所に依頼していると、だいたい四半期ごとくらいに「納税してくださいね。」という連絡が来るのではないでしょうか。 会計事務所が言う金額を言われる期日までに納税しているが、いったい自分は何を支払っているんだろうと疑問に思いながらも言われたことを言われた通りにやっている方も多いのではないかと思います。 日系企業のお客様に多い法人タイプのC Corporationの法人税の納税と申告について説明いたします。

連邦税のタイムライン

法人税申告・納税で重要な期日が年に5回あります。

  • 年始より4か月目の15日:前年度法人税申告書申告(延長申請含む)期日&新年度第1四半期予定納税期日
  • 年始より6か月目の15日:新年度第2四半期予定納税期日
  • 年始より9か月目の15日:新年度第3四半期予定納税期日
  • 年始より10か月目の15日:延長申請後法人税申告書申告期日
  • 年始より12か月目の15日:新年度第4四半期予定納税期日

 

大変、ややこしい。。。

例を挙げて説明していきましょう。

(株)CDH会社は、会計年度が1月から12月までの会社です。2022年12月31日期末決算(2022年12月期)が丁度終わったところです。CDH会社の申告・納税のタイムラインはどのようになるのでしょうか。

① 2023年4月15日:2022年12月期の2022年法人税申告書申告(延長申請含む)期日 & 2023年12月期第1四半期予定納税納税期日

② 2023年6月15日:2023年12月期第2四半期予定納税納税期日

③ 2023年9月15:2023年12月期第3四半期予定納税納税期日

④ 2023年10月15日:2022年12月期延長後法人税申告書申告期日

⑤ 2023年12月15日:2023年12月期第4四半期予定納税納税期日

では、上記5回の期日に対し、一体何を支払っているのでしょうか?

① 2022年12月期の法人税申告書の期日は翌年4月15日です。この4月15日は、同時に2023年12月期の第1四半期予定納税の納税期日となります。ということは、4月15日に支払っている税金は1)2022年12月期の税金に対して、2022年中に支払った予定納税額で支払いきれていなかった税金と、2)2023年12月期の第1四半期予定納税。第1四半期予定納税は、2022年12月期の法人税の25%で計算されます。

② 2023年12月期の第2四半期予定納税。これは、2023年1月から3月の財務諸表を用いて1年間の税額を予測してその半分を6月15日までに支払います。この半分に対してもうすでに①でいくらか支払っているので、①で支払っている分を引いて足りない分を6月15日に支払います。

③ 2023年12月期の第3四半期予定納税。これは、2023年1月から6月の財務諸表を用いて1年間の税額を予測してその75%を9月15日までに支払います。この75%に対してもうすでに①と②でいくらか支払っているので、既に支払った分を引いて足りない分を9月15日に支払います。

④ 2022年12月期法人税申告書を延長申請した後に、延長申請時には仮計算していた法人税額を確定させ、①で支払いきれていなかった税金を支払います。同時に法人税申告書も提出します。

⑤ 2023年12月期の第4四半期予定納税。これは、2023年1月から9月の財務諸表を用いて1年間の税額を予測してその100%を12月15日までに支払います。この100%に対してもうすでに①と②と③でいくらか支払っているので、既に支払った分を引いて足りない分を12月15日に支払います。

日系企業の期末は3月が多いです。では、上記の(株)CDH会社が2023年3月31日期末決算の会社だったらどうなるのでしょうか。

① 2023年7月15日:2023年3月期の2022年法人税申告書申告(延長申請含む)期日 & 2024年3月期第1四半期予定納税納税期日

② 2023年9月15日:2024年3月期第2四半期予定納税納税期日

③ 2023年12月15:2024年3月期第3四半期予定納税納税期日

④ 2024年1月15日:2023年3月期延長後法人税申告書申告期日

⑤ 2024年3月15日:2024年3月期第4四半期予定納税納税期日

2023年3月期(2023年3月31日期末)の法人税申告書は、その会計年度が始まったのが2022年なので、税務年度は2022年となります。

会計年度が暦年でない場合は、ややこしさがさらに増しますが、考え方は同じです。

年5回お支払いになられている法人税。今年は、毎回、「今は何を支払っているのかな?」と考えながら納税してみるのもいいかもしれませんね。

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