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IRSから個人の退職金積立口座に関する通知がありましたので紹介させていただきます。
(発行番号: 納税のヒント 2023-116)
個人の退職金積立口座は退職計画における重要なツールとなり得ます。退職後の計画を始めるのに早すぎるということはありません。 個人退職金積立口座には、皆様が退職後の経済的安定を確保できる、投資を行うための税制上の優遇措置があります。
これらの口座は銀行やその他の金融機関、生命保険会社、投資信託、証券会社等で開設することができます。
<Traditional IRA>
個人退職金積立口座の最も一般的なタイプです。IRA に拠出した金額については会社が提供する企業年金プランに加入していない限り連邦所得税申告書で控除することができます。もし加入されている場合、ご本人が加入されている場合と配偶者が加入している場合で控除できる金額が異なります。
- 拠出金は課税対象収入から控除の対象となり、税制面で有利な個人貯蓄プランである
- 拠出した資金は、引き出されるまで課税されない
- 個人の年齢に応じて、拠出額には年間制限がある
1.ご本人が企業年金プランに加入されている場合
2023 年度は夫婦合算での確定申告者は調整後の所得が$116,000 未満までなら最高限度額を非課税で拠出できますが、超えると段階的に拠出金額が減額され、$136,000 以上になると非課税拠出枠を失うことになります。
2.配偶者が企業年金プランに加入されている場合
2023 年度は夫婦合算での確定申告者は所得が$218,000 未満までなら最高限度額を非課税で拠出できますが、超えると段階的に拠出金額が減額され$228,000 以上になると非課税拠出
枠を失うことになります、
IRA から資金を下ろす計画を立てる時は、次の点にご注意ください。
- 例外に該当しない限り、59 歳半未満でお金を引き出した場合は10% のペナルティが課さられる
- 73 歳(2022 年に 72 歳になった場合は 72 歳)に達したら、翌年の4月1日までにIRA からの引き出しを開始する必要がある
<Roth IRAとTraditional IRAの違い>
Roth IRA も税制面で有利な個人貯蓄プランで、従来の IRA と同じルールが多くありますが、例外もあります。
- 納税者は Roth IRA への拠出金を課税対象額から控除できない
- 投資からの所得となる適格分配金は非課税
- 拠出限度額には調整後総所得の制限がある
- Roth IRA は所有者の死亡後まで引き出す必要がない
<IRA:個人年金比較表> | ||
Traditional IRA | Roth IRA | |
年間拠出限度額 | 6,500 ドル(50歳以上は更に1,000ドル) 稼得収入がそれ以下ならその額 |
6,500 ドル(50歳以上は更に1,000ドル) 稼得収入がそれ以下ならその額 |
対象者 | 稼得収入がある者、拠出時の年齢制限はなし。 夫婦合算申告であれば一方の配偶者に収入がなくても2人とも拠出できる。 |
拠出時の年齢制限はなし。 拠出金制限(2023年):調整後総所得で独身 13,8万ドル、夫婦合算申告 21,8万ドルから減額される。 拠出する者に稼得収入があること。 |
所得控除額 | 企業年金プランの対象者は所得額に応じて段 階的に削減 |
なし |
超過拠出 | From 5329、超過額の6%ペナルティ | From 5329、超過額の6%ペナルティ |
引出し時の課税 | 所得控除された拠出額と運用益は他の所得と 合算して課税される。 |
口座開設後、5 年以上経過し、59.5 歳以上 の引き出しであれば非課税。 |
早期引出し | 特定の引出し事由を除き、59.5 歳未満の引 き出しは所得控除された拠出額と運用益が他 の所得と合算して課税され、10%の早期引 出しペナルティが課される。口座開設後、5 年経過以前のロス IRA 移管も早期引出しと みなされる。 |
特定引出し事由を除き、59.5 歳未満の 引出しは運用益が他の所得と合算して課 税され、10%の早期引出しペナルティが 課される。 |
強制引出し | 73歳の翌年の4月1日になると引出しを開始しなければならず、最低引出し額も設定される。 | 年齢制限なし、但し死亡時には引き出し |
特定引き出し事由: | 死亡、高度障害、1万ドル未満の最初の住宅購入資金、子供の高等教育費用、生涯にわたり定期的に引き出す場合、調整後所得の7.5%を超える医療費支払い、失業時の医療保険料支払い等 |
<その他のIRA>
- SEP IRA
SEP IRA は雇用主によって設立されます。 雇用主は各従業員のために設定された IRA に直接拠出を行います。
- SIMPLE IRA
雇用主と従業員は各従業員のために設定された IRA に貢献することができます。 401(k)などの企業年金プランを提供していない小規模雇用主の退職金貯蓄プランとして適しています。
参考:
Publication 590-A, Contributions to Individual Retirement Arrangements
Publication 590-B, Distributions from Individual Retirement Arrangements
Topic No. 557, Additional Tax on Early Distributions from Traditional and Roth IRAs
Topic No. 413, Rollovers from Retirement Plans
Topic No. 451, Individual Retirement Arrangements
以上
CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記よりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
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