アメリカは日本と違って小切手での支払いが主流ですので、支払いを小切手で行われている会社は多々あるかと思います。しかし、パンデミックが始ってから自宅勤務が増え、小切手を発行、署名をするためだけに週に1回はオフィスに行かなければならないため、できれば支払いも完全にリモートにできればいいのに、とお考えのことはございませんでしょうか?今回は支払いがすべてウェブで行うことできる”Bill.com”の機能と利点について紹介させていただきます。Bill.comはどこにいてもインターネットさえあれば支払い手続きと承認が可能ですので内部統制強化にもつながります。また、自宅勤務が増えているためBill.comのニーズがかなり高まり、導入された、また導入を検討されている会社も数多くあります。
Bill.comとは
Bill.comとは、請求書の受取り、支払いの承認及び実行、会計システムとの連携など企業の支払いプロセスの全体をカバーすることができるクラウドソフトとなっています。
- 請求書の受け取り:comでは請求書を一元管理することができます。請求書を受け取るEメールアドレスを設定し、請求書をこの設定されたEメールアドレスに送付されるよう支払先に連絡します(もし指定されたEメールアドレス以外のアドレスに請求書が送られた場合、指定アドレスに請求書が添付されたメールを転送します)。送られてきた請求書はBill.comの画面のInboxに届きます。請求書のPDFデータから支払い金額、期日、支払先等をOCR処理によりBill.comに読み込まれます。読み込まれた内容を確認し、修正や付け加える箇所が必要であればBill.com上にて可能です。
- 支払いの承認及び実行:支払いを承認する担当者を特定しますと承認者のcomの “Bill Approvals” 画面にて承認すべき請求書のリストの一覧が表示され、請求書番号をクリックすると請求書と入力データを確認することができます。内容を確認後、請求書の承認を行いましたら引き落としを行う銀行口座を選び、その後支払いの承認を行い、支払いがなされます。小切手での支払いになりますとBill.comが会社に代わって小切手を発行します。また、ACHでの支払いも可能です。
- 会計ソフトとの連携:comのみでも使用可能ですが、Bill.comと会計ソフトとを連携させ、請求書や支払いのデータを会計ソフトに取り込むことができます。請求書をBill.comに取り込んだ際、勘定科目を指定し、かつ請求書内容等の詳細を加えることができ、この入力情報と支払時の支払い情報が会計ソフトに取り込まれます。
Bill.comと連携することができるソフトウェアはQuicks Online、NetSuite、 QuickBooks, Microsoft Dynamics等があります。
Bill.comを使う利点
支払いにBill.comを使う利点は主に下記となります。
- 請求書はすべてcomに保管されており、紙ベースで保管する必要がありません。また、請求書を一元管理できるため監査等で請求書を要求された場合でも請求書を探す時間を大幅に短縮でき、作業時間の短縮化、効率化を図ることができます。
- 請求書の入力者と承認者を分け、入力者が承認者に代わって支払いすることができないため、職務分掌が可能であり、また小切手を保管する必要がないため、小切手が盗まれるということもありません。よって内部統制の強化にもつながります。
- クラウドベースのソフトウェアであるため、自宅からでもどこからでも支払いを行うことができます。
- 支払い予定日をあらかじめ設定しておくことができ、設定日に自動的に支払いを行うことができます
- comは安全性の高いソフトを利用しており、データを暗号化しセキュリティーに力を入れています。
- 会計ソフトとcomを連携させることによりBill.comのデータか会計ソフトに取り込まれることができます。請求書はOCRにて読み込まれるため、会計ソフトと連動していれば入力作業の手間を省くことができます。
Bill.comを利用するための利用料はそれほど高くなく、利用する便益の方が大きいと考えられます。在宅勤務がますます増えている今、Bill.com導入の検討をしてみてはいかがでしょうか?Bill.comは支払いのみならず、請求書の発行、ACHでの入金管理も可能です。Bill.comに関するご質問等ございましたらCDH会計事務所の中尾 [email protected]までお問い合わせください。