まだ間に合う!2023年個人税節税対策!

2023年も早いもので、もう年末です。年が明けて間もなくすると2023年の確定申告の準備がはじまります。ここで2023年に節税を考えている方に朗報です。節税対策、まだ間に合いますよ。

2022年8月、歯止めがかからないインフレーションと戦うために、バイデン大統領がInflation Reduction Act (IRA) に署名しました。この法律はクリーンエネルギーを推奨する米国内ビジネスに投資することを目的とし、税制面でも10年プランで様々な税法が改正されました。個人納税者にも税額控除という形で還元されます。今回はIRAによって拡大された個人税のクリーンエネルギー関連の税額控除がテーマです。

自宅の省エネ改修工事をすることによって節税できることをご存知ですか?下記の改装にかかった費用は、適用条件を満たせば、Energy Efficient Home Improvement Creditで2023年から2032年は費用の30%、最大で年間$1,200まで税額控除されます。

  • 玄関・勝手口のドア、窓、天窓、断熱材
  • エアコン、給湯器、暖房炉、ボイラー、ヒートポンプ
  • バイオマスストーブ、バイオマスボイラー
  • 家庭用エネルギー監査

Energy Efficient Home Improvement Creditは2022年までは、最大で一生に$500きりの税額控除でしたが、2023年から上記の通り税額控除額が拡大されました。ヒートポンプ、バイオマスストーブとバイオマスボイラーについては年間$2,000の税額控除となります。

同様に自宅のクリーンエネルギー設備に投資した場合、Residential Clean Energy Creditが取れます。該当費用は下記になります。

  • 太陽光発電、風力発電、地熱発電
  • 太陽熱温水器
  • 燃料電池
  • 自然エネルギーの保管設備(2023年から適用)

こちらも2022年から2032年まで費用の30%が税額控除として取れますが、Energy Efficient Home Improvement Creditとは異なり、税額控除の上限は定められていません。

クリーンエネルギーの税額控除は自宅だけではなく、自動車が対象の税額控除もあります。Clean Vehicle Tax Creditは2023年に手元に届けられた電気自動車または燃料電池自動車が対象で、最大$7,500の税額控除となります。この税額控除を取るためには、納税者の所得の制限や車両に様々な条件があり、また車両が手元に届けられた日によって(購入日ではありません)、税額控除の金額や条件も異なります。このように税額控除のための条件はとても複雑ですが、自身で読み解いて計算する必要はありません。購入者が税額控除を申請するためには、販売店は車の購入者とInternal Revenue Service(IRS: 内国歳入サービス)に最大税金控除額やその他の車両情報を提出しなくてはならないことになっています。車の購入時に、この税額控除の情報が記載されている書類を必ず受け取るようにして下さい。

電気自動車または燃料電池自動車購入の税額控除は新車のみが対象ではありません。中古車の購入でもUsed Clean Vehicle Creditで販売価格の30%、最大で$4,000の税額控除が取得できます。購入者が税額控除を取得するためには、こちらも車両に様々な条件がありますが、自動車のディーラーから購入すること、またこのディーラーが税額控除に必要な情報をIRSと購入者に提出する義務があることなどが挙げられます。

今回紹介した個人の税額控除は、いずれも現金としての還付は不可能で、税額控除の金額が課税金額より大きくても、余った控除額は翌年に持ち越すことはできないのでご注意下さい。所得制限がある税額控除もあるため、確実に税額控除を取得したい場合は税理士さんにご相談下さい。

記事に関するご質問は、柴原 舞([email protected])まで。CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解していただく目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

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