財務省と内国歳入庁は必要最低分配 (RMD) 規則を更新する最終規則案を発行しました。

最終規則案は、適格退職金制度の参加者、IRA 所有者、およびその受益者に影響を与える SECURE 法および SECURE 2.0 法による変更を反映しています。同時に財務省と IRS は SECURE 2.0 法に基づく追加の RMD 問題に対処する提案規則を発行しました。

2022年に発行された提案規則に対するコメントに応じて特定の変更が行われましたが、最終規則案は概ねそれらの提案規則に従うものとなりました。

 

財務省と IRS が検討したコメントの具体例として;

  • SECURE 法で義務付けられているように、個人の死亡後 10 年以内に口座残高が完全に引き出される場合、必要な年次分配を既に開始した個人の受益者は、それらの年次分配を継続する必要はない

財務省と IRS の最終判断;

  • 最終規則では、そのような受益者が年次分配を引き続き受け取ることを要求する条項を維持すべきである

 

最終規則案には、SECURE 2.0 法によって行われた RMD に関するその他の変更に対処する条項など、財務省と IRS がパブリック コメントを募集している条項が含まれています。コメントの提出方法の詳細については、規則案を参照してください。

 

<参考文献: IR-2024-190>

<最終規則>

https://www.federalregister.gov/public-inspection/2024-14542/required-minimum-distributions

1.RMDについて

それでは改めてRMDについてQuickfinderより抜粋して説明します。

Traditional IRA、SIMPLE IRA、および SEP IRA からの年間必要最低分配 (RMD) は、納税者が以下の表の年齢に達した年から引き出しを開始する必要があります。納税者は最初の分配の引き出しを、以下の表の年齢に達した年の翌年の 4 月 1 日である必要開始日 (RBD) まで遅らせることができます。その後、各年の RMD は 12 月 31 日までに行う必要があります。

最初の分配が翌年の 4 月 1 日まで延期された場合、2 回目の分配はその年の 12 月 31 日までに行う必要があります。

<参照: Regulation 1.408-8、Q&A 2>

 

したがって、RBD は、以下の表の年齢に達した年の翌暦年の 4 月 1 日までではありませんが、その日までに必要な分配は前年 (以下の表の年齢に達した年) の分配となります。

 

適格雇用主プランからの RMD は、通常、個人が以下の表の年齢に達した年の翌年の 4 月 1 日までに開始する必要があります。または、それより遅い場合は、個人が雇用主から退職した年 (プランで許可されている場合)までに開始する必要があります。

 

ただし、以下の表の年齢を超えて働く個人に対するこの例外は、適格プランを後援する雇用主の 5% を超える所有者には適用されません。

<参照: IRC Sec. 401(a)(9)(C)>

2.RMD 計算生涯分配

各暦年の RMD は、前年の 12 月 31 日の口座残高を、分配年度末の所有者の年齢に応じた下記の統一生涯表(Unified Lifetime Table)の分配期間(Distribution Period)で割ったものです。

<例外として>

1 年間を通じて常に唯一の受取人が 10 歳以上年下の配偶者である口座所有者は、IRS Pub. 590-B 付録 B の表 IIの共同生存および最終生存者平均余命表の分配期間を使用して RMD を計算できます。この値は、統一生涯表を使用して計算された金額よりも少なくなります。

  • 婚姻状況は、分配年度の 1 月 1 日で決定

 

口座所有者が年末までに (または配偶者の死亡前に) 受取人を変更しない限り、その年の後半に死亡または離婚したために、口座所有者が配偶者を受取人として失うことはありません。

<参照: Regulation 1.401(a)(9)-5、Q&A 4(b)、IRS Pub. 590-B 付録 B の表 II>

3.口座残高規則

退職金プランまたは IRA からのロールオーバーが 12 月 31 日に保留中の場合 (分配は行われたが資金が受取 IRA に届いていない)、受取プランの口座残高をロールオーバー額だけ増加します。

<参照:適格プランの口座残高調整Regulation 1.401(a)(9)-5、Q&A 3 >

4.超過累積追加税 Form 5329

超過累積とは、期限内に分配されなかった RMD の金額です。課税年度中の超過累積には、25% の追加税が課されます。

  • 2022 年 12 月 29 日以降に開始する課税年度に適用される SECURE 2.0 により、50% の追加税率が 25% に引き下げ
  • 期限内に過失が修正された場合、税率は 25% から 10% に引き下げ

<参照:IRC Sec. 4974(e) >

5.修正期間

納税者が修正期間中に、納税額の分配を行い、追加税を反映した納税申告書を提出した場合、過失は期限内に修正されたとみなされます。修正期間は、分配不足額に追加税が課せられた日から始まり、以下の日付の内最も早い日付で終了する期間です。

  • 追加税を課す不足通知が郵送された日
  • 追加税が査定された日
  • 追加税が課せられた課税年度の終了後に始まる 2 番目の課税年度の最終日

6.追加税の免除を申請

不足額が正当な理由によるものであり、それを是正するための措置が講じられていることを個人が証明できる場合はIRS は 25% の追加税を免除します 。免除を申請するには、Form 5329 を提出し、指示に従って52行 と 53行 を記入します。

54行 の点線上に「RC」と、納税者が免除を希望する不足額を点線の括弧内に入力し、54行 に入力した金額をこの金額だけ減らします。そして原因が合理的であり、不足分を補うための措置が講じられていることを証明する説明書を添付します。

そうでない場合は55 行目に報告されている税金を支払います。また、免除が受理されなかった場合には追加税を支払う必要があります。

<参照:規則 54.4974-2、Q&A 7>

 

Form 5329 は引出し不足が発生した年の納税者のForm 1040 に添付します。そうでない場合は別途提出します。

他に参考として;

Regs. 1.401(a)(9)-0 through -9, Reg. 1.408-8, and IRS Pub. 590-B

Form 5329:

chromeextension://mhnlakgilnojmhinhkckjpncpbhabphi/pages/pdf/web/viewer.html?file=https%3A%2F%2Fwww.irs.gov%2Fpub%2Firs-pdf%2Ff5329.pdf

以上

 

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