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会計事務所のパートナーでありながら、夜ロースクールに通い、5年で卒業し、司法試験も合格した私ですが、弁護士にはなりませんでした。良かったのか、悪かったのかは、今になってはわかりませんが、キャリアの途中で弁護士になろうと考えている人、あるいは現在スクールに在学中の人のために私のストーリーをシェアさせていただきます。
- 背景
合格したのは、40代の半ばでした。その前の履歴としては、日本企業の海外駐在員が2年半、経営大学院に3年、巨大会計事務所で6年、米国にある日本企業の駐在員が2年、そしてCDH会計事務所に入って4,5年目です。長いようで、短かった5年間でしたが、米国の司法試験が終わってはた考えました。さて弁護士になろうかと。しかし、結論はなりませんでした。そのままCDHで会計士をいままで続けています。その利用は3つあります。
- 自分に弁護士の才能がないことを在学中に悟る
会計を勉強したのは、大学院時代で20台の後半でした。弁護士になるための法律を勉強したのは、40代の前半でした。ロースクールではっきりわかったのは、弁護士としての能力が自分には足りないことでした。具体的には、かなり一生懸命勉強して、自信があった試験でもなかなか良い点が取れなかったのが印象的でした。会計では勉強すれば、勉強しただけ成績が良くなったのに、ロースクールではそうはいきませんでした。明確に比較するのは難しいと思います。しかし、物の判断の仕方や、考え方が、会計のほうが明快で、法律のほうが、ぼんやりとして、なかなか核心がつかめない感じだったのです。卒業するときには、自分は会計士のほうが向いていると結論が出ました。
- 金銭的な理由
5年間のロースクールでは、学生ローンにお世話になりました。特に最初の2年は給料もマネージャーだったので、借金地獄(大げさな言い方ですが)で、家内が私に内緒で、私の実家に借金をしていたりしました。幸い、CDHではマネージャーを2年もしないうちにパートナーにしてくれて、給料もそれなりに上がりましたので、ローンを返し始めることができました。もし、この時点で弁護士事務所を探して、就職していたら、また低い給料から始めないといけないので、ローンの編纂に四苦八苦していたに違いありません。ちなみに私は会計事務所ふたつで、合計で4年弱しかマネージャーを経験していません。
特にキャリアの途中で弁護士になろうとか、会計士になろうという人は、給料がエントリーレベルから始めないといけないのでロースクールの費用プラス、その後のローンを返しながらの生活の金銭的なシミュレーションが必ず必要になると思います。正直に言いますと、私は会計士でありながら、そんなシミュレーションはしないでロースクールに飛び込んでしまいました。
- ロースクールで学んだことが、弁護士にならなくても役立つと信じていたから
その後にCDHの会社経営を5年させてもらいましたが、ひどい学生なりに得た法律の知識や、考え方は経営をする上で大変な力になりました。もちろんクライアントサービスの上でも、ロースクールで苦しんで学んだ内容が役立ったのは言うまでもありません。法律の知識や、法律の考え方は、会社の経営や、個人の生き方に大きく影響を与えているわけで、5年間の苦労は無駄にはならないと無意識に結論していたからでしょう。
- 最後に
結局、5年間、膨大な時間と、自分に取っては巨額なお金、そしてまだ小さかった2人の子供と妻には、莫大な犠牲をさせてしまいましたが、今振り返ってみると、決して無駄な投資ではなかった。逆にいろいろな意味でプラスになったと感じることができる今日この頃です。同じようなことを目指している方、ぜひ参考にしてみてください。
CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記のWebsiteよりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
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