固定資産に関してご質問をいただくことがよくございます。よって今回は固定資産に関して注意すべき事項についてお話さえていただきたいと思います。

固定資産計上基準

通常1年以上使用すると考えられる資産は通常固定資産として計上します。しかし会計ルール上、たとえ1年以上使う固定資産であったとしても購入金額が少額であればその期の費用として一括計上することが可能となっています。費用を一括計上すべきかどうかを判断するため、会社であらかじめ$500、$1,000等の固定資産計上基準を定められることをお勧めします。しかし購入金額が少額であっても同じ固定資産を多く購入した場合、総合計額が大きくなるようでしたら資産計上をすることをお勧めします。例えば、資産計上の基準が1,000ドルで$800ドルのコンピュータ-を10台購入した場合、コンピューター1台の金額は$1,000ドル以下ですが合計額が$8,000と大きくなりますのでこの場合は$8,00を固定資産として計上して減価償却されることをお勧めいたします。

耐用年数

固定資産の耐用年数は会計ルールでは何年にしないといけないとは定められていません。会社でよく使われている耐用年数の例はビルが39年、機械が5年から7年、車や家具が5年です。ただこちらはあくまで例ですので会社で何年くらい固定資産を使う予定かを考えて決めることになります。

また実際に固定資産を使っていくうちにあらかじめ予想していた耐用年数より使用期間が短くなる、または長くなると考えられることがあるかもしれません(かなりよく使用するために5年使うと考えていた耐用年数が3年ほどになりそうである、等)。耐用年数の変更は会計上の見積りの変更、と考えられるために過去に遡って減価償却費を変更するのではなく、今後の減価償却を調整していただくこととなります。例えば$10,000の固定資産の耐用年数を10年として償却していたが償却2年目の終わりで残りの耐用年数が5年になると考えられる場合、2年目の終わりでの減価償却累計額は$2,000です。残存価額、$8,000は残りの耐用年数5年で償却することになり今後5年間の年間償却額は$1600($8000÷5)ずつとなります。

固定資産の棚卸

在庫の棚卸は毎年行われるかと思われますが固定資産の棚卸も定期的に行われておられますでしょうか?固定資産台帳に載っている固定資産が実在しているか、また実際にある固定資産が台帳に記録されているのかを定期的に確認するのは非常に大事な作業です。台帳に載っているのに実在していない場合、知らない間に処分されてしまったり盗まれてしまっていたということもあり得ます。固定資産の棚卸をすることで買い替えなければいけない固定資産を把握することもできます。できれば固定資産台帳の各資産に番号をつけ、その番号のついたシールを各固定資産に張り付けておくことで棚卸が行いやすくなるかと思います。

ご質問がありましたら気軽にCDH会計事務所の中尾([email protected])までお問い合わせください。