クロスボーダーライフをサポートする
皆様、401(k)やIRAに拠出された際は、一時的に所得税を繰り延べ、つまりDeferralできますが、引出時には、所得税がかかってしまいますね。過去40年くらいの米国の税率を考えてみて、未来の税率を予想した場合、税率は下がると考える人よりも、税率は上がると考える人のほうが多いのではと想像します。拠出時に課税を避けることができても、引出時に高額の所得税がかかってしまうような未来だったら、せっかくのリタイアメントプランが台無しですね。そこで今回は、生命保険の米国税制について、説明することで皆様の将来への備えの考察のひとつとさせていただきます。
- 生命保険の受取に対する米国課税
https://www.irs.gov/faqs/interest-dividends-other-types-of-income/life-insurance-disability-insurance-proceeds 米国で受取人が保険金を受け取る場合は、税金はかかりません。日本では、そういうわけにはいきません。
被保険者、保険料の負担者および保険金受取人が誰であるかにより、所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税の対象になります。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1750.htm
あきらかに米国の税法のほうが、生命保険に関しては有利ですね。
- Cash Valueの増加に対して非課税である
米国税法では、IRC 7702 https://www.law.cornell.edu/uscode/text/26/7702 という税法でCash Valueが非常に優遇された課税方法を取ることを許可しています。この7702の税法を満たすように設計された生命保険のポリシーは、Cash Valueが無税(Deferされて)増えていきます。生命保険の種類では、Whole life, Universal life, and Variable universal life policy, Indexed universal life policyなどが、この7702を適用することができます。これらの各種の生命保険のタイプについては、専門のファイナンシャルアドバイザーにぜひご相談ください。
- Cash Valueからのローンも無税
同時にCash Valueから引き出したローンも投資のDistributionとは認識されず、したがって課税対象にはなりません。https://www.law.cornell.edu/uscode/text/26/72
(e )(3)(A)(i) .
このように考えると、米国の生命保険に関する税法がいかに優遇されているかわかると思います。将来所得税率や遺産税の税率が上がると予想されるかたには、上記の3点の優遇策は、大変魅力的に感じられると思います。
CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記よりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
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